あなたには聞こえますか…………
部屋に戻り約束の時間が近いのを確認す

ると、雪は準備をしだした。



「花梨、買い出しに行くから、部屋で大

人しく待ってて! またあとでな!」



そう言い残し雪は、部屋をあとにした。



「雪さん……ありがとう……

雪さんの嘘は、優しい嘘だね……

行っちゃうんだね……

その優しさが大好きだよ……雪さん……


でも、わかっちゃうね……これで……」



花梨は悲しそうに呟いた。


< 338 / 397 >

この作品をシェア

pagetop