あなたには聞こえますか…………
「!!!!」

言葉を失い、その光景にまったく理解の

出来ない雪がそこに立ちすくんでいた。



「なんだこれは……なぜ……」



「それはこっちのセリフだがな。

どういうことか説明してもらおうか、

亀城消防士?」



警察に花梨を会わすつもりのなかった雪

は、自分のマンションにいる花梨をずっ

とそこに住ますつもりだった。



そのため、こちらのマンションに来て、

生活している部屋内部を確認させ、

怪しい点がないのを見させた上で、

今日は居ないしまた後日という事で切り

抜けようとしていたのだ。


部屋に怪しい点がないのが分かれば、警

察も無駄足だと思うはずだ。



しかし……

雪の思惑は完全に潰されていた。



その時、先程の大家さんが声をかけてき

ていたのだ。


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