あなたには聞こえますか…………
「亀城くん……

気をしっかりもって……

辛いのは分かるけど……」



そう話す大家の言葉には返答せず、

雪はぶつぶつ呟いていた。



「なにを言ってるんだよ……

花梨が死んだとか……

そんなのありえないだろ……

毎日会ってるのに。

そうだ……マンションに戻ろう……

バカなことばかり。

なんやねん……まったく……

早く花梨に会いに行かないと……」






大家の横を通り去り、雪はマンションに

走っていた。
< 348 / 397 >

この作品をシェア

pagetop