あなたには聞こえますか…………
「あれから……

花梨さんとは、よく一緒に食事もしたわ

ね。

お話もよくしたわ。

マンションのお手伝いもしてくれて……



大人になって行く姿を見届けて来たのに

あんなことになるなんて……


私が花梨さんに、作った料理を持って行

ったときだったわね……

すぐに亀城くんに連絡いれて……


あのときの亀城くんの表情は、今でも

脳裏に焼き付いてる……

苦しかったんだよね……

現実を受け入れられなかったんだよね……


あれからもずっと、あの部屋の家賃を

振り込んでいたのは、その為だったのね


亀城くん……」



大家は当時の想い出を口にし、

涙が流れていた。






< 351 / 397 >

この作品をシェア

pagetop