あなたには聞こえますか…………
その言葉に雪は頭の中の思考が停止し、

しばらく前にいる花梨をただただ、

見つめるしか出きなかった。




そして、何が起きているのか分からない

状況のまま、確かに自分の前にいる花梨

に話しかけていた。




「何を言って……

何をバカなこと言ってるんだよ……

花梨……?

花梨は、今もこうして俺の前にいるじゃ

ないか!

なにバカなこと……

そんな冗談は……


花梨……何を言って……」








「雪さん……

雪さんには、うちが見えるだけだよ……

こんなにうちのことをね……

想ってくれてるから……だから……


外出中も周りの人達、不思議そうに話し

てたでしょ……雪さんを見て……

その人達には、うちの姿は見えてないん

だよ……だから……



雪さん……ごめんなさい……」



< 358 / 397 >

この作品をシェア

pagetop