あなたには聞こえますか…………
雪のマンションでは、雪が花梨の側に立

ち、花梨を優しく見続けていた。



そして、自分自身に言い聞かすように

ゆっくりと話し出していた。






「思い出して来たよ……花梨……

俺、昔に家族を失ったこともあって、

大切な者との別れを、受け入れられない

ような。いや……受け入れたくない心情

になっていたんよな……


花梨が死んでいたのを見た時に、もうパ

ニックになってしまって部屋を片付けて

いたんだと思う……

でも部屋のカーテンは外したくは、なか

ったんだ……

だって陽が当たると花梨が消えてし

まいそうだったから……


またいつか俺の前に現れるから……

だから消えきってしまうのを防ごうとし

てたのかもしれない……


二度と会えないとか受け入れたくなかっ

たから」




そこまで話すと雪は、買い込んだ食料品

に目を向けた。


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