あなたには聞こえますか…………
「食べて元気になってほしかったんだ。

こんな時代だから、少しでも元気になっ

て笑って欲しかったんだ……」



雪はそう話すと大粒の涙を流していた。




「雪さん……」



「なあ、花梨……

ごめんな……花梨……

俺の心が弱いから……

現実から逃げて、花梨に淋しい思いを

ずっとさしてたんだよね……」



雪は花梨を、抱き締めようとした。




が、触れることは叶わなかった。




「そっか……そうだよな……

今までも俺の願いが、そう見していただ

けなんだよな……




触れたいよ……また花梨に……」





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