あなたには聞こえますか…………
「明日……花梨が死んだ日か……」



雪はポツリと呟くと、



優しい想い出

優しい笑顔

そして、優しかった空気を思い出し、

フラフラとした足取りで、久し振りに玄

関のドアを開けた。



外は肌寒く、雪の心を見透かし、

同調するかのような冷たい風が、雪の周

りを包み込んでいた。


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