あなたには聞こえますか…………
「やだよ……そんな雪さんは……

優しい記憶のまま、最後にしたいよ……

じゃないと……また想い出すら、壊されて

しまうよ……

想い出をまた壊されるのは……」



雪はニヤニヤ笑っていた。




「あ……」



「そういうことだよ、花梨……

想い出を壊すのはやめようよ。

今まで楽しかった想い出や

優しかった記憶を台無しにするのは、

やめようよ。

俺と花梨がこの時代に生きて、

愛し合った想い出を、綺麗なまま残そう

よ。

そして、辛くて悲しくてどうしようも

ないけど……サヨナラしよう……」




「雪さん……

うちの扱いは、やっぱり……

雪さんしかいないみたいだね…………」



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