あなたには聞こえますか…………
「もういいじゃん! テレビは!
雪さん、話そうよー!」
テレビに集中していた雪に、花梨がかま
ってほしそうに、話しかけてきた。
「ん。あぁ……」
「もう! 今は余計な事考えずに! 最近
あまり一緒にいれてないんだからさ……」
寂しそうに声を出す花梨を、雪は見つめ
た。
そうだよな……最近あまり会えなくて寂
しい思いばかりさせてるよな……
そう考え、雪はテレビを消すのだ。
「ごめんごめん、話そうな! 花梨!」
それからその日の夜まで、二人は音の話
をすることもせずに、二人だけの空間を
有意義なものにしていた。
世の中の騒ぎから、このときだけは安心
出来うる時間になっていたのだ。
しかしそれは、束の間の時間にすぎない
のである。
翌日、出勤した雪は今までの現場数とは
比べ物にならない多くの現場に行く事に
なったのだ。
そして現場数と比例するように遺体の数
は今までの比ではなかったのである。
サイトでの事件は、ただの始まりに過ぎ
なかったのだ。
雪はそれをしばらくして、痛感させられ
てしまうことになる。
雪さん、話そうよー!」
テレビに集中していた雪に、花梨がかま
ってほしそうに、話しかけてきた。
「ん。あぁ……」
「もう! 今は余計な事考えずに! 最近
あまり一緒にいれてないんだからさ……」
寂しそうに声を出す花梨を、雪は見つめ
た。
そうだよな……最近あまり会えなくて寂
しい思いばかりさせてるよな……
そう考え、雪はテレビを消すのだ。
「ごめんごめん、話そうな! 花梨!」
それからその日の夜まで、二人は音の話
をすることもせずに、二人だけの空間を
有意義なものにしていた。
世の中の騒ぎから、このときだけは安心
出来うる時間になっていたのだ。
しかしそれは、束の間の時間にすぎない
のである。
翌日、出勤した雪は今までの現場数とは
比べ物にならない多くの現場に行く事に
なったのだ。
そして現場数と比例するように遺体の数
は今までの比ではなかったのである。
サイトでの事件は、ただの始まりに過ぎ
なかったのだ。
雪はそれをしばらくして、痛感させられ
てしまうことになる。