あなたには聞こえますか…………
「本当に早いよね……うちが雪さんと出逢

ってから……色々とあったけど……

ありがとうね、雪さん。

雪さんがいなかったら、うちは優しさを

知らないままだったから……

本当にありがとうー!」



「俺も同じだよ。花梨。

花梨がこうして側にいてくれるから、俺

は頑張れるし生きていられるんだから。

たくさんの力を花梨はくれてる。

お礼を言うのは俺の方だよ。

ありがとうな、花梨」


二人にとっては、お互いが大切な存在で

あり、唯一無二のかけがえのない相棒だ

ったのだ。

雪は、花梨がいない生活は考えられない

ほどに、溺愛しているのもまた事実。



それほどまでに、雪は花梨を毎日いとお

しく感じ、雪に力をくれていたのだ。

それが雪の毎日の過酷な災害現場に立ち

向かう勇気に変えている。



そして、雪はまた現場へと向かって行く

のだ。

優しさを胸に刻みながら。



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