あなたには聞こえますか…………
雪はテレビに集中し過ぎ、花梨が来てい

たのが分からなかったのだ。



「もうっ! 無視しないでよー」



「あ。花梨ごめん。テレビに集中しすぎ

ててさ……」



「昨夜大変だったでしょ。ごめんね。」



「花梨が謝ることじゃないよ」



「だって疲れてるのに。会いに来ちゃっ

て……ごめん……」



「俺も会いたいから大丈夫だよ、花梨」



「えへへ! ねぇ雪さん、いま大変な時期

だと思うけど……落ち着いたら、ゆっく

りデートしようね!」



「あぁ! デートしような!」



「約束だよ?」



「分かってるよ、花梨」



「雪さん、大好き!」



「俺も大好きだよ、花梨!」



雪は、ひとときの安らぎを花梨からもら

っている。


そして、こういう日常に一刻でも早く戻

りたいと、雪は強く願っていた。



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