あなたには聞こえますか…………

飲み会も終盤に差し掛かり、八人はほろ

酔い気分で浮かれていた。



「良かった良かった！

何も起こらなかったやん！

心配して損したなぁ……

もうこれからも、何もないんじゃね？」



英雄が、ほろ酔い気分で大声で叫んでい

る。




その時、レストラン内のマイク放送が

まもなく閉店である旨を知らせる為に

流れ出していた。



次の瞬間。

その放送を聞いた人々は、頭を抑え、倒

れこむ者、座ったまま動かなくなる者が

一気に増えてきていたのだ。



「ぐがァァァァァァァァァァアアア……

その音……やめろ……やめてくれ……」



叫びながら、その言葉を最後に英雄は

倒れていった。



「え？　何々？　どうしたの皆？

音ってなに？　大丈夫？ どうしたの……

いったい……どうしたの？　みんな！」



弥栄子は辺りを見渡していたのだ。



周りの客も従業員も動かなくなっている

のを確認すると、震える手をしっかり押

さえ付け携帯からすぐ通報していた。