fingertip
「古谷、マジごめん!」




太陽くんが両手を合わせて言う。



ドキッ・・・。

私のこと・・・
古谷って読んだ?




「どした?」




太陽くんが私の顔をまじまじと見て来たから、私は目をそらした。




「べっ別に・・・」




だめ。

緊張してきて・・・ヤバい。




「ん?古谷、小説読んでんの?
・・・えっマジ?」




太陽くんがちょっと鼻で笑った。




「古谷って
恋愛小説よんでるんだぜーーっ‼︎‼︎」




太陽くんが大声で叫ぶ。


はっ⁉︎

なっ何で大声で言うのっ⁉︎




「ちょっ・・・ちょっと!」




あっ。

勢いで立って叫んじゃったよ・・・。




「マジかよ」

「似合わなーい」

「変だよなー」




そんな声が聞こえてきた。


どっ・・・どうせ

私は、恋愛小説とは無縁だよっ・・・。


ぐーの手に力が入る。


涙が出てきた。


私は、そのままダッシュで教室を出た。




「お、おいっ 古谷!」




そんな声が聞こえたけど無視した。


私は、走り続ける。




「待てっ!古谷‼︎」




どうやら、太陽くんが追いかけてきてるみたい。


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