fingertip
「えっ・・・」




なっ何言ってるの?




「いつも、1人で小説読んでて、友達と話すとかそーいうことしないじゃん?
だからさ・・・」




「迷惑よ」




私は、太陽くんの言葉を遮るように言った。




「迷惑・・・?」




「そっ迷惑」




私は、そっぽ向いて答えた。



太陽くんは、頭をかいた。




「ごめん・・・。なんか、きっかけつくればお前に友達できるんじゃないかって・・・」




えっ?


太陽くんは、いつも私を見てくれてたの?

それなのに、何変なこと言ってんの私?



私は、ばれないように太陽くんの指先に触れた。




『なんだよ、コイツ。いつも1人で寂しいクセに、意地張っちゃって。辛いなら我慢しないで泣けばいーのに、助けを呼べばいーのに・・・。
俺が、いつでも助けてやるからさ』




ポロリ・・・。


私の頬に涙が流れた。


ポロポロ止まらない・・・。



おどおどする太陽くん。




「えっ?ちょっ・・・ど、どうしたんだよ⁉︎」




ずっと・・・。

ずっと1人だった・・・。


誰かに・・・助けて欲しかった・・・。


だけど、誰もいなくて・・・。

結局、1人で・・・。
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