fingertip
泣いてる顔を本で隠した。


そして、静かに泣いた。

誰にもばれないように・・・。



5分ほどたって、目は腫れてるけど
落ち着いたから顔から本を離した。



時計を見ると、授業開始の5分前。

もうすぐ授業が始まる・・・。


私は、持っていた小説を閉じて
机の中へ入れようとした。

その時、私の机の右側を前から男子が
通りかかった。


その男子は、私の前の机で足を引っ掛けて、転びそうになった。
その弾みで私の机へ手をドンッと乗っけた。



「おっと」



私は、その男子を睨んだ。


いつも・・・そう。


私は、近づいてくる人を睨んで
自分の心を閉ざしてるんだ。
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