ベランダ越しの片想い
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月曜日の朝は一週間で一番体が重い。
ベッドの上でずっと横になっていたいのに、わたしたち学生は学校に行かなくてはいけない。
これが本当に、辛い。
季節は夏。
七月の初めとテストが終わったばかりで、あとは夏休みを待つばかり。
惰性の日々だ。
目元に力を入れて、まぶたを上げて、よし。
思い切って立ち上がる。
シャッとカーテンを勢いよく開けてしまうと、一昨日洗った上履きを取りにベランダに出た。
「あ」
向かいにある同じようなベランダに立つのはわたしの幼馴染──アキだ。
今朝はシャワーを浴びたのか、短い髪が濡れて張りついている。
「ん? あぁ、咲歩か。はよ」
「おはよう。
今日、一緒に学校行く?」
「だな。お前まだ準備あるよな?
俺もあるし、終わったら下で待ってるわ」
「わかった。後でね」