最後に流した涙は…
私の部屋にだけドアに特別鍵がついている
私は急いで鍵を閉めた。またあの日の生活に逆戻りする。苦しくても逃げ出すことは許されないあの生活に…
それならいっそ、閉じ籠る。鍵は看護師さんが持っているけれど、誰も開けようとはしない。まるでパンドラの箱を開けてはいけないのと同じ仕組みで……
ただ、あの時はこの病院には拓斗がいた。拓斗は、お構いなしにその鍵を開けた。私は、昔から知っている人がいて安心し、それから鍵はしなくなった。だけど、今回は違う。この病院にはまだ拓斗はいる。けれど、拓斗は私の中に踏み込み過ぎたんだ
私に関わる人々はいつか、絶対
─────壊れてしまうのだ