最後に流した涙は…



ー仁side



俺は何をしてしまったんだ…



比嘉から突然キスをされたのは驚いた。でも、その前に気を確かに持っていれば防げたかも知れない。胡桃を傷つけたのは紛れもないこの俺だ…。



胡桃は、危なっかしくて。脆くて。目を離したら俺の側から離れてしまいそうでいつも怖かった…。



だが、さっき胡桃が言った言葉が頭から離れず頭の中でリピートを繰り返している…
「仁も私のこと裏切るんだ…。やっぱり、あの時から誰も信用するんじゃなかった!私の友達は、咲乃だけで充分!!」



胡桃は、何を思ってこれを俺に言った…。



仁も裏切るって何だよ!過去に誰かに裏切られたのか?あの時って何だよ!何があったんだよ!!!



胡桃のこと、何も知らない。家族のことも昔のことも、辛かったことも、何も…。胡桃が、過去に何かを抱えていることは見てたら分かっていた。だから、自分のことは何も話そうとしなかったのも理解出来る。





でも、聞いておけばよかった……



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