【短】私の意地見せてやるっ!


そこからは、早かった。



私が断ろうとすると、
すかさず空が入ってきて
断れなかった。


男の人も、
私の断ろうとしようとしてることが
分かったのか、


どんどんと空と話を進めてしまう。



「瑠奈ちゃん、ケータイ貸して?」



そう問いかけられて、
いつもの私なら普通に貸すのだけど、

私抜きで話を進めてしまったことの
仕返しとして、強く返した。



「知らない人に貸さないように
してるんで、嫌です。」



すると、空が素早い手つきで
私のポッケに手を突っ込んだ。



無理矢理にでもケータイを
取るつもりのようなので、
私は空の手を全力で押さえた。



「瑠奈?その手を離して?


じゃないと…」



「…?」


なにになると言うのだろう。


空は、ニヤっとしてから、
もう片方の手で、脇をくすぐってきた。


「ひゃっ!」


恥ずかしい悲鳴をあげてしまった。


廊下を歩くほとんど人は、
私の方を見ている。



顔がかぁっと赤くなる。

ケータイを盗られてしまったし、
やめてほしいところだ。



恥ずかしくて顔を俯かせていると、

ピッピピと機械音がした。



顔を見上げると、彼が
私のケータイになにか、うちこんでいた。



しばらくすると、
ケータイを渡された。



画面には、
【運命の相手ユウ】
とあった。


運命の相手、も聞こえてたとか…



「じゃあ、俺は行くね?

瑠奈ちゃん、メールよろしく!」



誰がメールなんてするもんか。

なんだか悔しいからメールなんてしない。



「あ、あと瑠奈ちゃん。
顔、赤いよ?」


クスクスと笑う彼。



…絶対にメールなんてしないっ!!
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