キスキすき
瞼が軽くなって
自然と開いたら
目が合った
「あほ!!!!」
彼はずっと
見てたんだあたしを
起きるまで
「え、ここ、なに?」
「保健室だろ!体育途中で倒れだんだよ!お前!薬飲んでなかったんだろ!」
「あは、ちょっと忘れちゃって‥‥」
「あほ!!!!!」
たった今倒れていたはずの病人の頭を、何の躊躇いもなく叩くこの人
「まあまあ、櫻くん」
まだ叩こうとするその手を、女の子らしい細くて綺麗な手が制する
簡単に、触れる
「ルリ子ちゃん」
「麻美、もう大丈夫なの?あたしびっくりしちゃって‥‥」
その顔は
本気であたしを心配する、
せっかくの美人が、台無しの顔
「あ‥‥ごめんね、あたし喘息持ちで‥‥言ってなかったね」
「ほんと、よかった‥‥」
そしてその綺麗な手は
あたしに触れた
優しく柔らかく温かく
「やだ麻美!まだ苦しいの?」
そしてまた心配させてしまうね
ごめんね
「違えーよ、嬉しくて泣いてんだよこいつ、あほだから」