キスキすき
自分のクラスの靴箱に向かうと
あたしの靴はもう出してあって
靴箱に寄りかかるようにして腕を組んで誰かを
あたしを
待っている洸紀がいた
「…帰ってなかったの?」
「薬飲んだのか」
あたしの質問には答えもしないで、あたしの心配をする
矛盾してるんだよ
「さっき、教室で飲んだ」
それを聞いて、少しため息を吐いて
洸紀はあたしに背を向ける
「行くぞ」
待っていた
あたしを
一緒に帰るために
今日も
「…うん」
あたしはそれを
待っていた
今目の前にいるのに
『いつものことだろ』
洸紀の声が
私の中だけに、こだまする