多泣多笑。
「拓夢は、好きな人いる?」
「・・・いない」

考えてはみるものの、いない。

「じゃあ、僕のこと好きになって」
「・・・(友達として)好きって言ったじゃん」

暁は拓夢の顔と自分の顔をかなり近づけて、

「だから、僕を恋愛対象にして」

と真剣な顔で言った。
・・・・・暁は、変だ。
初対面で『好き』と言ってきて、『今回初恋』とか言ってきて、最後には『僕のこと好きになって』と言ってきた。
でも・・・・・・・
拓夢は、純粋100%の目を見て言った。

「・・・考えておく」

(友達として)好きだ。

「そういえば、お前どこの小学校だ?」
「壬生川」
「・・・・・俺もだ」

コイツと同じ学校かぁ・・・・・。
少し、ため息。

「毎日会えるね」

かなり、微妙。
頭、軽く抑える。

「・・・お前、壬生川での俺の友達第一号な」
「ラジャー」

かくして、暁は拓夢の友達第一号となった。

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