ただ、それだけで。
「ここどこだ?なんでこんなことに・・・」
ちかくから女の子の声がした。僕の良く知っているあの声。
「どうしたの?」
出来るだけ平然を装って。
「ここはどこですか?それにあなたは・・・」
敬語だった。傷つかないはずだった。なのに胸が締め付けられるんだ。だってもう、僕の知ってる口調では話してくれないんだ。
「ここはね、生きてるものとすでに死んでるものがいる不思議な空間だよ。きっと君は理由があったからここにいるんだ」
「理由・・・・?」
「そう、じゃなきゃこんなとこに来るわけはないんだよ」
なーんていったら真面目に彼女は考えだしてしまった。