ただ、それだけで。
「・・・分からないでしょ?そりゃ、そのはずよ、理由なんか初めから存在しなかったんだからね」
「は?」
「あなたが彼女を殺したのには理由も何もないって事よ」
だったら・・・・なんで僕は。
「なんでだって思ったでしょ?」
こいつエスパー?
「私はエスパーなんかじゃないって。ただ、人の心が全部見えるのよ。その証拠にこの目赤いでしょ?」
「あ、それ」
気づいた。少女は目が赤くなっていた。これは僕も何度かなった事があった奴だから。
「やっぱり・・・見えるんだ」
「え?」
「普通の人間には私の目は赤く見えないの。これは私の力が働いてるしるし。そしてあなたのもあるはずよ、力が」