敗者復活戦~純情~
1月10日。

日曜日だっただろうか。

父親は離婚で、母親は出張でいなかったので静かだったが、いつものことだと思いながら、冷蔵庫を開け牛乳を探す彩。しかし、牛乳が無いことに気づき、近くのコンビニに買いに行く。その途中で思いもよらぬ事件に巻き込まれた。

目が覚めた時は、どこかの部屋にすでに運ばれていた。起き上がると、見覚えのある顔がちらほら。よくみると皆クラスメイトだ。クラスメイトの皆が普段着のままだ。普段うるさい男子も喋らずに黙り込んで、女子には震えている人もいる。部屋は教室2個分くらいの広さでクラスメイト全員が楽に入れるくらいの大きさだ。しかしクラスメイトでは無く、全身黒ずくめの男が部屋に入ってきた。真っ白な部屋には黒い服はとても目立つ。その男は私の5メートル程前に立ち止まり、こう言った。

「只今より、敗者復活戦を始めます。」
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