美しき彼女
彼女は決して金魚釣りが上手ではなかった。
僕一匹しか釣れなかったのだ。
水の入ったビニール袋の中で僕は一匹で泳ぐ。
彼女は数人の女友達と夏祭りにきていた。
彼女の名前は早織というらしい。
彼女の友人がそう呼んでいた。
彼女は僕の入ったビニール袋をぶら下げながら夏祭りを楽しんでいた。
たこ焼き。かき氷。ラムネ。
型抜きや射的。
見ていて思ったのは、彼女は少し不器用だ。
彼女たちは存分に夏祭りを満喫し、家に着く頃にはもう遅くなっていた。