いつか、また
「私も吃驚しました。・・・まさか希緒センパイが同じサークルなんて……」
稽古前のミーティングが始まり花奈と希緒は隣同士の席に座った。
「あれから廊下で擦れ違うけど、ゆっくり話せなかったもんねー」
「そこ、希緒と花奈。……喋らない」
修弥は仏頂面でふたりを見ると、文化祭でやる演目の議題へと戻る。
「……今年は、創作劇にしようと思います」
途端、メンバーからのざわめきや質問が飛び交い修弥は喧騒の渦に飲まれた。
「ね、ねぇ修弥。「創作」ってことはセットや照明、音響なんかもわたし達でやるんでしょ? ……機材はどうするの?」
希緒もその輪に混ざると隣に座る花奈を見る。
「それに今始まったことじゃないけど、このサークルはキャスト候補がいない。・・・台本やセットがあっても人がいないんじゃ話にならないよ」
キャスト候補、という部分で修弥は希緒の隣に座る少女を見詰めた。花奈はその視線に気付いたのか顔を上げ彼女を見詰める修弥を見詰め返す。
「・・・確か、表現・基礎科だよね・・・・?」