いつか、また


「ふたりとも! 総員スタンディングオベーションだよ!! もう1回舞台に上がって!!」


修弥の叫び声と周りの歓声の中、ふたりの主役はもう一度舞台に上がった。


「「きゃーっ!!!!」」


女子達からは黄色い声が上がり、男子達からは雄々しい声が上がる。


ふたりは客席に向けお辞儀をすると、司会者からマイクを受け取った。


「皆さん、本日はお忙しい中本校の文化祭にお越し頂き、誠にありがとうございます」


そこまで言うと一旦言葉を切り、花奈にマイクを手渡す。


「私達サークルは今年、創作劇に挑戦しました。この劇は「見えない何かに囚われながらも生きる」というコンセプトの元、台本科の方々が書いて下さったものです」


ふたりで示し合わせた訳でもないのに、花奈の言葉は清流のように続く。


「台本科だけではなく、技術科、メイク科、スタイリング科、他の様々な学科の皆さんにもお手伝い頂きました。此処に、皆さんに感謝を伝え、敬意を表すとともに」


「私達サークルメンバーを纏めてくれた、サークル長を紹介します」


どうぞ、ふたりに促され修弥は驚きで目を見開く。すると修弥の周りにいたメンバー達はさも当たり前のように修弥に道を作った。


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