いつか、また
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とても気持ちの良い昼下がり、その人は「cafeteria cherry blossom」にいた。
「……ふふ、最近はよくいらっしゃいますね。サークルはいいのですか?」
桜の香りがする紅茶を飲みながら店員と会話をするその人は楽しげに笑うとおかわりを求める。
「いいの、いーの。今日はあの子がやってくれてるから」
おかわりとパンの耳で作ったかりんとうを差し出し、店員は入り口を見詰めた。
「ということは、もう来ますかね?」
「どうだろう・・・」
ね、という部分は勢い良く開いたドアの音に消される。
「……ね。噂をすれば何とやらだ」
「そうですね」
ふたりは顔を見合わせ笑うと、今開いたばかりの扉を振り向く。そこには、髪を頭の両横で結った小柄な少女が立っていた。
「お待たせしました、希緒センパイ!!」
花が咲いたような笑顔で告げる花奈は、店員に目礼すると希緒の隣に座った。