いつか、また


「お疲れさま、今日はありがとね?」


修弥が上京してから半年、青年の伝言でWサークル長になってから初めての春が来た。


「いえ、センパイは面談があったから仕方ないです。・・・あ、私もいつもので」


隣の席に座った花奈は言うと、バッグの中からクリアファイルを取り出す。


「これが、新規メンバー募集のチラシで、こっちがポスターのラフ案です」


新学期も間近になり、希緒達サークルも新入生勧誘のためのチラシやポスターを描いていた。


「花奈さんはとても可愛らしいイラストを描かれるんですね」


桜の香りがする紅茶を置くと、ふたりの手元にあるチラシとポスターを眺める店員。


「・・・なんだったら、この店の外に貼ってもいいですよ? まぁ、本来はだめなのですが、貴方方は特別です」


悪戯のような笑顔で言われ、ふたりは顔を見合わせる。そしてアイコンタクトをすると、お願いします、と希緒が頭を下げた。


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