いつか、また
文化祭後、ふたりはサークルメンバー全員が公認のカップルになった。
「ありがとうございました」
低く深い声を背中にふたりは帰路に着く。
「……今日の、面談なんだけどさ・・・」
付かず離れずに歩いていると、不意に希緒が口を開いた。その言葉に花奈は歩みを止める。
「・・・あの、さ……? もし、もしだよ!? …………もし、わたしも東京へ行くって行ったら、貴女は怒る……?」
長い、長い沈黙が続き、花奈は希緒の背中を見詰めた。
「・・・姫センパイから、お誘いされたんですか?」
漸く言われた言葉は何処か冷たく、何処か悲し気だった。