プリンセス☆ロード
「…そうだ、あのさ、私この町に来て思ったことがあるんだけど」
「思ったこと?なんだ、それは」
「この町、結構家もあってにぎわってそうなのに、外は閑散としてるなって」
家にもちゃんと人は住んでいる形跡はあった。
だから、人はいるはずなのに、なんだかおかしい。
「確かに。これだけ家も店もあるのに、それに見合うだけの人が出歩いてないんだ」
「この町の違和感はそれだったんですね」
ミナトやソウシも、それに納得してくれたように頷いた。
何かの役に立つかはわからないけど。
「もしかしたら、あの宿主、というよりこの町全体の問題なのかもしれないな」
「この町?」
「調べてみる価値はありそうだな」
レンの言葉に、みんな静かにうなずいた。
少しは役に立ったということだろうか。
「とりあえず、人が出歩いていないわけじゃない。人を見つけて聞き込みから始めよう」
「わかった。じゃあ、二手に分かれていこうぜ」
リュウはざっと2チームにわけ、それぞれ聞き込みに向かった。
リュウとミナト、そしてレンとソウシと私というチーム分け。
昨夜の二人。
でも、二人とももう何もなかったかのようにわだかまりもなさそうだ。
いったいなんだったんだろう。