プリンセス☆ロード




「・・・あ、浩太くん」

「ああ」

「あ、あの・・・」





美由紀が戸惑いながら視線を私の腕を掴む浩太の手に向けているのに気付いた私は慌ててその手を振りほどいた。
それでも、掴まれた腕は痛くて、胸はドキドキしていた。






「私、帰るから」

「紗南!私・・・!」






素直になれない。
そんな自分が嫌。






女の子でいたいと願ったのに、かわいくない態度しか取れなくて。









美由紀の声にも、浩太の意味深な態度にもすべて蓋をして気づかないふりをする。
そして、また逃げたんだ・・・・・・・・・。












いつも、逃げてばかり。








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