プリンセス☆ロード
足手まといは嫌!
「安心しろ、貴様は生きたまま魔王さまのところに献上する。ククク、これで吾輩の悪魔としての地位も確立されるのだ!」
魔王さま。
初めて聞く言葉だ。
魔王、というのだから偉い人なんだろう。
悪魔の王様、だろうか。
私をその魔王のもとへ連れて行くのがこいつの目的?
こいつも、結局はその魔王の指示のもと動いている兵隊に過ぎないんだ。
「このまま魔王さまのもとに連れていくのももったいない」
「…!?」
「ククク。いいな、その恐怖におびえた表情」
一歩、一歩、と近づいてくる恐怖。
身動きのとりにくい身体で必死に体をねじり後ずさる。
悪魔の大きな手が振りかざされ一気に振り下ろされた。
ザシュ!
鋭い痛みと、赤く散る血。
肩を大きく切り裂かれた痛みが、恐怖と共に襲う。
「ぁ…、ああっ…」
「いいぞ、いいぞ。死に直面した恐怖におびえる顔。人間が、大きな力に屈するその姿!」