プリンセス☆ロード
それから、学校でも二人の事をあからさまに避けていた私。
授業が終われば教室を飛び出し、放課後もそそくさと帰った。
ずるいと思う。
美由紀はいつだって、私に声をかけてくれようとしているのに。
申し訳なさそうに、”ごめんね”って聞こえるのに。
ごめん、を言うのは私なのに。
親友だって思ってた。
それなのに、大事なことを隠して。
そして今、最低な態度を取ってる。
そんな関係のまま、高校二年の春、親交を深めるという名目のもと集められた私たちは山登りをすることになった。
親睦を深めるのがどうして山登りなんだと文句を言う生徒たちをよそに、張り切って先頭きる先生たち。
私は、別の友達と一緒に登っていた。
登ったのは比較的低い山でしばらく登るとすぐに目標地点についてそこで昼食となった。
みんなそれぞれにシートをひいて和気藹々と騒いでる。
その輪から離れた私は一人森の中に足を進めていた。
一人に慣れる場所に行きたかった。
ただそれだけだった。
「あれ?」
ふと、入った森の中に小さな小屋を見つけた。
どうしてこんなところに?と違和感を覚える。
それでも、なんだか興味を惹かれた私はそっと小屋の戸を開けた。