プリンセス☆ロード
「レン…?」
「…!いや、なんでもない…。無事でよかった」
レンはハッとしたように顔を上げると手を離して顔をそむけた。
その様子に他のみんなは顔を見合わせて笑っていた。
私だけがよくわからずただレンを見つめていた。
どうかしたんだろうか。
「…姉ちゃん」
「…あ、リクくん!」
思いがけない人の姿に思わず声を上げる。
それが思わず傷口に響いて顔をゆがませる。
「まだ傷口はちゃんと塞がってないんだ。無理すんなよ」
リュウがそう言って擦ってくれる。
そうだった。
私は、あの悪魔に……。
「姉ちゃん…ごめん。俺のせいで…」
「なに言ってるの?リクくんのせいなんかじゃないでしょ?」
私がそう言うと、ソウシが笑ってリクくんの頭を撫でた。
「ほら、言ったでしょう。紗南さんも、あなたを責めることはないって」
「…うん。…うん!」
泣き出したリクくんに、私は目を泳がせる。
責任を感じてしまったんだろうか。
私がけがをしたことに、自分のせいだと自分を責めて責めて、苦しい思いをしてしまったんだろうか。
「ごめんね、リクくん。ありがとう…」
「ううん!俺、もっと強くなる!自分でちゃんと母さんを護れるように!強くなる!」