プリンセス☆ロード
「よく、わかっただろう」
リクくんも自分の家に戻り、ソウシやミナト、リュウはそれぞれ今後の買い出しにでかけレンと二人の病室。
しばらく沈黙が続いていたが、レンが不意に言葉を放つ。
「え?」
「今回の旅が、どれほど危険なのか」
「……そうだね。少し甘く見てたのかもしれない」
いろんな事件があるとはいえ、私の生きてきた世界、私が生きていた日本という場所は本当に平和なんだと思った。
だからこそ、そんなに危険な旅なんだって、実感も現実味もなかったんだ。
「足手まといだって言われてた意味が分かった。私は戦えないだけじゃない、囚われて、例えば人質になることだってあるってことだよね」
「お前は、ただの女じゃない。お前を、敵は欲してるんだ。お前自身に価値があるってことは、ただ人質になるだけじゃない。何かに利用されるってことだ」
「私に価値…。ただ、私が異世界から来た人間だからってだけでしょう?」
「詳しいことはわからんがな…」
私には力なんてない。
ただ、異世界から来たっていうだけ。
「ただ、それだけなのに…」
どれほどの価値があるのか。
「怖いと、思ったか?ついてきたことを、悔やんだか?」
「…怖かったよ。どうして私がこんな目に合わなきゃいけないのって…思った。死を感じたことなんて今までなかったんだもん。当然だよね」