プリンセス☆ロード
「…悪魔が、お前を狙ってるってことが確かになった今、お前をどうするべきか、考えあぐねている…」
「え…?」
「城に戻したところで、お前を狙う悪魔から旅をしている俺たちは守ってやることはできない。だが、旅に連れていれば、余計に危険は増える」
結局、私は危険にさらされるということ。
ならば、決まってる。
「私は、皆とこのまま旅をつづけるよ」
「わかってるのか!?今以上に危険な目にあうかもしれないんだぞ?また、死の恐怖に怯えることになるかも…!」
「わかってるよ」
「わかってない!お前は、ことの重大さがまだわかってない!」
「だったら、どうしろっていうの?城に戻ったって私は狙われることには変わりないんでしょ!?」
「それは…」
「狙われた時、誰が助けてくれるの?みんなはいないのに!私、信じられる人みんなしかいないのよ!私には、皆しか…」
メイドさんも、他の騎士たちもみんないい人だってわかってる。
でも、友だちも家族もいないこの世界に来て、初めてよくしてくれたのは騎士のみんなだった。
私の心のよりどころになってくれてる皆と、離れて私はどうしたらいいの?
「俺は…っ!お前が血を流す姿をもう見たくない…」
「レン…」
悔しそうに顔をしかめ、拳を握る。
レンはそう言い残し部屋を出ていってしまった。
あんなレン、初めて見るかもしれない。
レンも、自分を責めたりしたのだろうか。
私を護れなかったと、後悔したりしたのだろうか。
ふと、私が目を覚ました時に言いかけた言葉を思い出した。
―側にいろと言いながら、守れなかった。…俺の責任だ
―怖かっただろう…?