プリンセス☆ロード
そこは、アクセサリーをたくさん置いてあるお店のようなところだった。
こんなところでお店なんて、客は来るんだろうか。
「あら、いらっしゃい」
「あ・・・。どうも」
奥から出てきたのは、どこか絵本の中に出てくる魔女のような少し不気味なオーラを持つおばあさんだった。
それでも、気の優しそうな笑顔を浮かべていて、ほっとした私は少し店の中を見て回ることにした。
「こんなところでお店なんて、お客さん来るんですか?」
客が一人しかいないこの状況につい気になっていたことを聞いてしまった。
気を悪くさせたかと表情をうかがうが、おばあさんは変わらずニコニコしていた。
「そうねぇ。あなたで二人目、かしら。この前のお客は、いつだったかしら、遠い昔で覚えてないわ」
「・・・・・・え」
不気味だと思った。
こんなところ早く逃げ出した方がいいんじゃないかと、心の中で警報が鳴る。
でも、裏腹に私の手は一つのネックレスに伸びていた。
「あら、それを気に入るなんて、前のお客さんと同じねぇ。いいわ。お金はいらない。持って行ってちょうだい」
「え・・・でも・・・」
「趣味でやってるようなものなの。あなたにもらってもらった方が嬉しいわ」
そう言って笑うと私にそのネックレスを握らせた。
しずくのような形の琥珀色のネックレス。
表面に不思議な記号のようなしるしが施されている。