プリンセス☆ロード
「紗南には悪いがすぐに出発になるけど、いいか?」
「もちろん!私もそのつもりだよ」
私のせいで足止めしちゃったんだもん。
本当ならもっと先に進めていたはずなのに。
「…レンは?」
私がそう尋ねるとみんなは顔を見合わせる。
ここにもレンの姿はなかった。
「迎えに一緒に行こうって誘ったんだけどな」
ミナトが申し訳なさそうに呟く。
そんなに怒ってるの?
「お姉ちゃん!」
声がして振り向くと、リクくんが走ってこっちに向かってきていた。
その後ろには町の人たち。
「リクくん!」
「今日退院ですぐ出発しちゃうって聞いてさ…。町のみんながお姉ちゃんに会いたいって」
リクくんがそういうと町の人たちは一斉に深々と頭を下げる。