プリンセス☆ロード
「本当にすまなかった。どんな理由があったとしても、見ず知らずのあなたたちを危険に晒してしまって…」
「悪魔に手を貸してしまったこと、どう償っても償いきれない…」
「君たちだって、我々と同じ誰かの家族で、誰かの大切な人間だってことを…忘れていた…」
口々に謝ってくれる町の人たち。
皆、本当はいい人たちだったんだ。
悪魔に大切な人を奪われ、疑心暗鬼になって、自分の大切な人を守りたい一心でしたこと。
それを責められるはずなんてないんだ。
「私、皆さんの事責めたり恨んだりなんてしてません。大切な人の命がかかってたんです。私でも同じことをしたと思います。そして、同じように後悔したと思います。それに、私のケガは、皆のせいではありませんから」
「そうです。今回の紗南さんのケガは、守りきれなかった僕たちに責任がありますから」
「それも違うよ、ソウシ。誰も悪くない。誰が悪いとしたら、こんな非道なことをする悪魔の方よ」
そのせいで、皆が自分を責めたり、悲しい思いをするのは許せない。
こんなこと、もうやめさせなきゃ。
私は、みんなの笑顔が見たいんだ。
「本当に、ありがとうございました。あなた方のおかげで、私たちは大切な家族のもとに戻れました」
「ありがとうございます」
女の人たちも口々に涙を流しながらそう言う。
それが嬉しくて、私は笑った。
「みんなが笑顔になれて、本当に良かった!」
心からそう思うの。