プリンセス☆ロード
町の人たちに見送られて、私たちはその町を後にした。
こんなすがすがしい気持ち、初めて。
誰かに感謝されて、皆が幸せな顔をしてて。
こんないいことないわ。
「紗南さんは、本当に不思議な人です」
「…え?」
不思議って、それ、喜んだらいいの?
「いつでも周りを笑顔に変えてくれる、不思議な人ですよ」
「…いやいや、そんなことないよ。みんなが私を笑顔に変えてるんだよ」
本当にそう思う。
だって、この世界に身寄りがない私がこうして笑顔でいられるのは、皆がいるからだもん。
町から出てしばらく歩いているとその先に人が立っているのが見えた。
近づいていくと、それがレンであることに気づく。
「レン!」
私は、レンに駆け寄る。
レンは少し気まずそうに顔をそむけた。
「レン…私…」
「…悪かった」
「え?」
「お前が好きなようにすればいい」
レンはそうぶっきらぼうに言う。
それって、ついて行ってもいいってこと?
「うん!私、レンたちと一緒にいたい。危険でもいい。怖い思いしたって、レンたちと一緒にいたい」
「後悔しても、知らんぞ」
「後悔なんて、しないよ」