プリンセス☆ロード




「それより、紗南は平気か?結構歩きつめてるけど」

「あ、うん。平気だよ。ありがとう」





私のケガを心配してリュウが尋ねる。
でも、本当に平気なの。
傷口ももう痛むことはないし。
なんだか、ケガの治りも早いみたい。






「もうすぐエリシアの町につきます。そしたら城まではすぐです」

「楽しみ!」

「なにがだ?」

「お城がある町って言ったら、きっと賑わってるんでしょう?ほら、ルネス王国みたいに。かわいいものとか、おいしいものとかたくさんありそう!」

「…観光に来たわけじゃないんだぞ」

「わかってるよ」






レンはそう言うけど、楽しまなきゃね!
少しずつぽつぽつと建物が出てきて町に近づいている感じがする。
人の姿も見られるようになってきた。





「この町は、綿を生産しているんです。その綿から作られた洋服もたくさん売っているんですよ」

「へぇ!」

「ですから、気に入った衣装があればお申し付けくださいね」

「本当?でも、私今着ている服で十分だよ?荷物になるしさ」





この服だって、この前の事で血で汚れてしまったり破れてしまっていたから新しいものを用意してもらったばかりだし。
確かに替えの服が数着あるといいなとは思うけど、贅沢は言っていられないのはわかってる。
皆も、別に一着持っていて町についたときに着替えて洗濯してるのを知っているし。






「大丈夫ですよ。ここからは馬での移動になりますから」

「…う、馬!?」

「ここまでの道のりは少し険しいところもあって馬が通れない。ここからの道のりは比較的平坦な道だからな」

「そうなんだ…」

「その馬の調達のためにも、エリシアは避けて通れないんだ」

「セリムさまが馬を用意してくれると申し出てくれたそうなんですよ」







リュウとソウシの話に納得して頷いていると、隣でレンのまたブスッとした顔。
そこまで犬猿の仲なの?







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