プリンセス☆ロード
どれくらい眠っていたんだろう。
ドンドンと低い音が聞こえうっすらと覚醒していく。
「…誰…?」
それがノックの音だと気付いたのは何度目の音の時だろう。
慌てて起き上がるとドアに駆け寄る。
もしかして、もう夕飯の時間かしら?
レンが言っていた、その時には遣いの人が呼びに来てくれるって。
「は、はい!」
待たせてしまっていたら申し訳ないと、慌てて返事をする。
「…俺だ」
でも、聞こえてきたのは聞きなれた声で。
「レン…?」
どこか、焦っている風に聞こえた。
扉を開くと、その向こうにいたのはやっぱりレン。
どこか思いつめたような表情をして瞳が揺れている。
「どうしたの?」
こんなレン、初めて。