プリンセス☆ロード
「なに、もう時間じゃない?そろそろ戻らないと」
「はぐらかすなよ」
「なにが?はぐらかしてなんて」
浩太とは友だちなのに、この関係を壊したくない。
浩太と、気まずくなりたくないの。
「俺」
「聞きたくない!」
後ずさる。
逃げ出したい。
この現実から、逃げたいの。
「俺、紗南の事、好き・・・・・・っ」
「・・・ぇ」
気が動転して逃げることに必死になっていた私は、その先が崖になっていることを知らず足を踏み入れてしまっていた。
バランスを崩す身体、ゆっくりと回転する景色。
いったい何が起きたのか、わからなかった。