プリンセス☆ロード




レンが言う嫌なことがそれにつながることなのかはわからないけど。
なにも教えてもらえないのは、なんだかさみしい。





「…できた」

「すまん」

「ううん…」





二人の間に沈黙が走る。
なにを話したらいいのか、わからない。

そう言えば、二人きりだった。







「も、もっと王様って偉そうな人なのかと思ってた。ここの王様は、気さくそうな人でいい人そうだね」

「…お前は、ああいう奴がいいのか?」

「え?」

「あいつは、やめておけ」

「やめておけって、いったい何のこと?」






レンは私の言葉も聞かず一方的に話す。
まったくついていけない私。






「…何でも、ない」






またほら、なんでもない。
また距離を感じる。




「わかった。…私、これ返してくるね」





そう言って立ち上がって廊下に出る。
なにも話してくれないレンに苛立ってた。




残った包帯と消毒液を返して部屋に戻るともうレンの姿はなかった。





いったい、なんだったんだろう。
なにか、言いたかったわけではないの?




本当に何でもなく私の部屋をたずねたの?






レンが、わからない。






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