プリンセス☆ロード
思い悩んでも仕方ない、と自分に言い聞かせお風呂から上がる。
ホカホカした身体に貸してもらった寝間着を着て半乾きの髪をタオルでわしゃわしゃと拭きながら廊下に出た。
我ながら、女子力というものは皆無だと思う。
「あ、いたいた」
「えっ?」
廊下を部屋のある方へ曲がった時人影が現れた。
その意外な相手に目を丸くする。
「お、王様!」
「やあ。お風呂は、どうだった?わが城の自慢のお風呂だ」
「えっ、あ、はい!とっても気持ちよかったです」
ドギマギとおかしな返答になる。
というか、私寝間着なんですけど!
うわわわ!とっても恥ずかしすぎる!
「ごめんね、なかなか二人で話せそうな時がなかったから」
「いえ…、あの…」
「ここは人が来るから、庭に出ようか?」
「あ、はい」
王様に連れられて庭に出る。
庭には綺麗な花が咲き乱れている。
とってもきれいだ。
「湯冷めしちゃうね、ごめんね」
「あ、大丈夫です」
「せめて、これ羽織っておいて」
「え、でも…」
「私は大丈夫だよ。男ですから」
そう言って笑いながら王様は自分が羽織っていた上着をかけてくれる。
とても紳士だ。