プリンセス☆ロード




「こことは別に、生きていく世界があるんだろう?」

「それは…」

「ならば、なおさら。レンの前から姿を消してほしい」







その言葉に、冗談はなかった。
レンの前から姿を消す…?







「私はもう、傷つき壊れていくレンを見たくないんだよ」

「どういう…。どっちにしても、私がいてもいなくても、レンには関係ないと思います」






それ程、私の存在がレンに影響を与えるなんて考えられない。
セリムの買いかぶりすぎだ。






「君がそれでも行くというなら、私はこれ以上止めることはできない。でもね…」






セリムが私に向き合う。








「君に、何ができる?」





「え……」









その言葉は深く私の胸に突き刺さった。






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