プリンセス☆ロード
こんな風に、殺気を持って襲われることなんてなかった。
それは当然だけど、この世界ではそれが当然じゃない。
当たり前に襲われて、当たり前に戦う。
それが、この世界だ。
「おいおい、国を救う姫だとかいうからどんなものかと思ったら、大事に背中に守られた箱入り娘か!?」
近くにロイドの声がする。
いつの間にかその距離は3メートルほどに近づいていた。
でも、他の騎士たちはそれぞれの戦いで余裕がない。
「紗南さん!」
「レン!」
戦いながらも、私たちの状況を心配してくれている。
「お前に、なんの利用価値があるってんだ?ああ?」
「だったら、用はないだろう。消えろ!」
「俺は、指図されるのがだいっっっ嫌いなんだよ!!!」
ドン!
その瞬間私の身体はレンによって後ろに突き飛ばされて転ぶ。
体を起こした瞬間には、レンとロイドの戦いは始まっていた。
甲高い音を立て剣が交わる。
「ふん、たかだか一撃防いだところで、結構苦しそうじゃねぇか」
そう言うとロイドは足でレンの横っ腹に蹴り入れる。
レンは強く吹き飛ばされ地面にたたきつけられる。
「レン!」
「来るな!」
慌てて駆け寄ろうとした私をレンが制した。